GLOSSARY
GLOSSARY

土木用語集


足場

何か活動するための台の下の骨組みの部分です。足代(あししろ)ともいうようです。英語は普通はscaffoldingですが、stagingもあります。stageは活動の舞台みたいなもので、それを支えるのがstagingということになります。scaffolingはどちらかというと、支える材料を組み立てる、といった意味でしょう。足場はその場、その場でいろいろの組立て方があり、構造物の側面に沿って一列に設けるには側足場(がわあしば)と言います。抱足場 (だきあしば)というのは、建地丸太の両側に横丸太を緊結したもので、足元の安定がよいということです。地面に沿って低くつくるのは地足場と言うらしいです。皿板 (さらいた)というのは足場の建地や支柱などが、地面にめり込まないように、柱材と地面の間にはさむ板のことです。敷板(盤)(しきばん)とも言います。これら、足場を組み立てたり、解体して撤去したりすることを掛払い (かけはらい)と言います。

アスベスト

石綿のことです。繊維状の鉱物をほぐしたもので、断熱性がよく、壁材の中に混ぜたりしていましたが、発ガン性があり、屋内での使用は禁止され、屋外では最近まで石膏ボードのようなサイディング材料に使われていましたが、今ではこれも禁止されています。繊維状の鉱物といいましたが、化学的組成の違ういくつもの種類があるようです。しかし、健康に害があるのは組成とは関係なく、繊維の細さや長さらしいです。

インバート

トンネル工事において、地山が弱いとき、路盤より上に逆アーチのコンクリートを打設したものを言います。下水道のマンホールで、流下をなめらかにすめために、底部に設ける逆アーチの曲面を指すこともあります。

打放しコンクリート

コンクリート舗装の仕上げは、機械あるいはテンプレートタンパーによる手仕上げによる荒仕上げ、機械あるいはフロートで平たんにする平たん仕上げ、最後に表面がすべりにくいように、表面を道路横断方向にかき起こすようにして仕上げる粗面仕上げが行われます。これは、コンクリートの表面の水がほぼ、光らない程度になったときに、機械仕上げでは、ワイヤブラシ仕上げあるいは。機械の後ろに麻布(バーラップ)を取りつけて、左右に摺るように動かしながら引きずっていく、バーラップ仕上げがあります。手仕上げでは、ほうきやはけを使うほうき仕上げ、あるいはほうき目仕上げがよく行われます。目荒しという言葉がありますが、これは既設のコンクリートについて言います。何にも仕上げをしないのは打ちっ放しコンクリートということになります。小規模な舗装で使う面白い仕上げ方法にヘリコプター仕上げというのがあります。

エルボ

配管などの方向を変えるための4分の1円弧状の肘のように曲がった管:elbowです。

型枠

型枠はコンクリートを流し込む鋳型になるものです。通常は木材で作り、あとで取り外しますが、たまに取り外さずにはめ殺しにするものがあります。

狂う

木造建築で、乾燥の悪い木材が後に反ったり曲がったりして建て付けが狂ったりすること。

グレーチング

すのこ状というか格子状の溝などのふたです。車が乗り入れて無様に落ちてしまっているのをよく見掛けます。大きなものでは本四連絡橋などで路側の方はグレーチングになっています。軽くなるのと風に対する安定性のためのようです。車道をグレーチングで設計することもできます。橋の構造として使う場合はグレーチング床版が正しい言い方でしょう。格子の中にコンクリートを詰めるものと、本四連絡橋のように開いたままにするオープングレイチングとかがあります。すのこ(簀の子)というと細い板を間をあけて打ち付けて、風呂場の水切りなどに使いますけど。公園の椅子などでは、簀の子になったものをよく見掛けます。水が早く切れるということでしょう。

間知石

石積みなどに用いる角錐型に加工した石です。

現場代理人

現場において請負者の代理人として責任をもつ者。現場においては社長の代理ということになります。建設業法に基づいて置く代人は正式には現場代理人ですが、業者間では代人で通ります。

コンパネ

コンポジットパネル composite panel、つまり合板、ベニヤ板のこと。土木では型枠に用いる合板のことをいっています。

じゃんか

コンクリートが行きわたらず、型枠をとり除くとお菓子の豆板のように骨材が露出している状態のこと。

捨てコン

構造物の底部に粗いコンクリートを、本体の工事にさきがけて打設し、構造の基礎の型枠や鉄筋の設置を容易にしたりするための構造部の強度とはあまり関係のないコンクリートを言います。実際には強さにも役目をしているだろうと思います。略して捨てコンと呼ぶことの方が多いようです。捨て石というのは明らかに役目をしていて、地盤を強化するために水中や軟弱な地盤の中に大きな栗石を投げ入れるもので、捨て石基礎とか割栗地業と言った言葉があります。

狸掘り

小規模かつ原始的なトンネルの掘削工法で、支保工を施さずに堀り進みます。

丁張

構造物を作る前に、とんぼと呼ばれる小さい杭と板切れ、ロープなどを使って、主要な部分の中心線、高さ、掘削位置などを示すことです。

面一

二つの面が同じ高さになることです。高さ方向と限らず、二つの面が同じ平面に位置することです。ぞろという言い方もあるようです。

土方

今では、差別用語の類とされているようです。土工、人夫という言葉もありましたね。新聞の犯罪記事に「土工風の怪しい人物が目撃されている」とか、書かれていましたね。土方がまずければ、労務者と言い換えている間に、その労務者も差別用語扱いになり、今では、作業員、現場職員といった呼び方に変わっています。

土かぶり

(1)地下に施工する構造物の天端から地表面までの土砂の厚さを言います。土かぶり(どかぶり)、土被り,地被り、地冠り(じかぶり)と言ったり書いたりします

とろ(のろ)

石積み、レンガ積みのとき、軟らかく練ったモルタル(とろ)を隙間に流し込むことです。つぎとろとも言います。据えつける前に水平にならすためのものを敷きとろと言います。のろという言葉もあって、水とセメントだけを練ったものだということですが、とろも同じかも知れません。

とんぼ

構造物を作る前に、とんぼと呼ばれる小さい杭と板切れ、ロープなどを使って、主要な部分の中心線、高さ、掘削位置などを示すことです。

生コン

正しくはレディーミクストコンクリートです。長ったらしいので、レミコンとも呼ばれるようです。ちゃんとした工場(生コンプラント、生コン工場、コンクリートプラント、バッチャプラントなどの呼び名があります。)で練った、まだ固まっていないコンクリートのことです。とにかく、まだ固まっていないコンクリートはフレッシュコンクリートです。生コンの方が一般的かも知れません。モルタルについても生モルという言葉が使われるようです。

法 (のり)

盛土、切土してできた傾斜面のことです。盛土ののり面は土羽(どは)とも言います。法面の上端は法肩(のりかた)、下端は法尻(のりじり)とかのり先とか言います。法足(のりあし)、法長(のりなが)は法面の長さ。法面を盛土あるいは切土して作る作業を法切りと言います。

バカ(棒)

バカにも二とおりあるようです。いずれも計測に関するものです。一つは掘削などの深さを測るために使われる簡単な寸法の印を入れてある棒。バカ定規、あるいは単にバカとも言われる。もう一つは土も含めて構造物の寸法を出すために、棒杭、板切れを使って丁張り(ちょうはり)をしますが、実際の構造物の寸法に本当に合わせて丁張したのでは型枠がセットできないなどの不都合があります。そのため、いく分かの余分を見て丁張りするわけですが、その余裕の寸法をバカと呼んでいます。実際の測量では「バカを何cm見ろ」とか「馬鹿、バカを見ろ、この馬鹿」とか言われます。こうなると、「馬鹿、馬鹿って何だ、この野郎」ということになります。

はなたれ

コンクリートが固まるとき、表面に浮き出てくる白い薄皮状の物質で、接着力が無く、次にコンクリートを打ち足すときには害になります。

ばれる

何もしないのに型枠が壊れるのはばれると言います。

ボーリング

地中に細長い孔をあけるのがボーリングです。あけ方としては、とにかく掘ればいいという、ぶったたいて壊す衝撃式と、試料のサンプリングができるように、円筒形に切り取れるように掘る回転式(ロータリー式)があります。

丸投げ

工事を請け負った請負者が工事のある部分を下請けといって他の業者に発注すると、請負者が発注者になります。その下請けがさらに、ある部分を下請けに出すのが孫請けです。部分でなくて全体を下請けに出すのが丸投げです。

水締め

埋め戻しなどの材料が砂の場合、水をかけてやるとよく締まることがあります。水をかけると砂と砂の間のわずかな水による粘着力がなくなるためのようです。非常に優れた方法というわけではありませんが、効果がある場合があります。

目潰し

栗石↓バラス↑などを敷いたすき間に小さい砂利や土、砂などを詰めることです。丁寧にいうと目つぶし材です。

モルタル

(1)セメントと砂を水で練ったもの。砂利の入ったコンクリートと区別します。レンガやコンクリートブロックの目地を埋めて接着層としたり、床、壁の上塗りに用います。からモルなどというのもあります。↓(2)アスファルト舗装では、2 mm以下程度の砂とアスファルトを練ったものをモルタルと言い、区別するためにアスファルトモルタル、あるいは略してアスモルなどと言います。muckや pugはアチラの現場用語です。

山留め

または土止。土砂がくずれ出すのを止めるために施すもの。山留(止)(やまどめ)も土留ですが、より頑丈に、杭を打って、これに板をならべて張り、必要なら胴梁、切梁↑などで補強します。掘り下げた壁面が土圧のために崩れるのを山がくると言います。

山がくる

掘り下げた壁面が土圧のために崩れるのを山がくると言います。

ユンボー

パワーショベル。バケットがブームの先についていて、それで掘削して積み込む機械です。前に押し出すように掘るのがフロントショベル手前に引き寄せるように掘るのがバックホウです。仲間にクローラ型のトラクタショベルとタイヤで走るショベルローダがあります。押し出す形式のものは時にブルドーザみたいに押したり、均したりができ、もちろん積み込みもできます。バックホウは制御がしやすいようで、溝掘りなどで大活躍します。ユンボーは三菱重工のバックホウの商品名だと思いますが、今ではどこの製品でもユンボーと呼ばれるようです。

養生

コンクリートは強度がでるまでの間、湿潤に保つ必要があり、水分が失われないように、覆ったり、散水したりすることを養生といいます。

ラーメン

四角形を基本にした骨組み構造のことでめずらしくドイツ語です。もちろん英語もありますが、あまり聞きません。トラス↑↑と違って、ラーメンの場合は、力がかかったときに、ひしゃげようとするので、接合部はそれに応じて、頑丈にします。鉄筋コンクリートの建物はラーメン構造です。木造では完全なラーメンにするのは難しいですが、実際には家屋の構造も古い形式では斜交いの柱のないラーメンと言ってよいものもあります。方丈ラーメンあるい方丈桁(ほうじょうげた、またはほうづえげた)という橋の形式もあります。最近ではπ形ラーメンというようですが、これは切り通しを走る高速道路の上空にπの形をした横断橋をよく見掛けると思いますが、あの形がそうです。斜めに立った橋脚と橋桁が一体になった感じのものです。こうした斜めに支える部材は方づえです。ラーメンは不静定構造↑です。


※この用語集は、建設用語小辞典より一部抜粋させていただきました。